【硯の買取】端渓硯を売っていただきました/大田区
買取品目 | 硯 |
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住所 | 東京都大田区 |
買取方法 | 出張買取 |
書道道具買取専門の「すみのあと」です。東京都大田区より硯(書道具)の買取のご案内です。東京都大田区は東京23区内にあり品川区、世田谷区、江東区、神奈川県川崎市、目黒区に隣接しており30年以上硯、掛軸など書道具を中心に買取をしています当社も呼んでいただける地域でもあります。大田区は経済の中心地が蒲田区に特化しており京浜急行駅の蒲田駅も多くの乗降客がりようしております、また日蓮宗の本山である池上本門寺や本行寺などの寺社仏閣も多く僧侶関係の墨跡などが遺されており古美術の世界ともかかわりがある街でもあります。寺社関係と書道、茶道、香道は繋がりも深く、大徳寺、黄檗宗の僧侶が揮毫した掛軸作品は茶席でも使用されますし、書道の世界でも書作品として鑑賞することもあります。また僧侶の作品を売りたい方が書道具を所持されていることも多く書の世界の広がりを感じさせます。そのような地域からは書道、茶道などの品物を売却されたい方も多く、文化度の高い街であるともいえます。
そのような大田区から査定、買取の対象となりました硯があります。所持されていた方はお亡くなりになりご遺族との査定、買取となりました。寺社関係の掛軸、書道家関係の作品があったことから書に大変な興味、関心を抱いていた書道家の方だったと思います。一般には書作品といえば青山杉雨、西川寧などの書道家作品がほとんどになります。書を絵画的な表現として浸透させた手島右卿、上田桑鳩、宇野雪村の書作品も当然「書」の作品です。他にはは自身が付いた先生の書作品を購入していることもありますが寺社の僧侶が揮毫した掛け軸も確かに書作品といえます。永平寺など戒律が厳しいことで有名な僧侶が揮毫した作品は特に人気が高く楢崎一光、青蔭雪鴻らの僧侶は高額買取が可能でもあります、特に楢崎一光は国際禅道場という発想を持ち海外に禅を広めた功績もあります。
そういった書の世界に精通された書道家の方だったのではないかと思われますが所持されていた硯、墨、筆、和紙などの文房四宝は自身の書道のための練習用であり、印材、水滴、文鎮、画仙紙などの書道用品は関係者から贈答品として頂いていたものが多く売却は難しい物となりました。実際書道家の方は師匠などの縦の関係や書道仲間の横のつながりも深くお互いの展覧会などに出席したり記念で肉池、文鎮、半紙、画仙紙などの書道用品を贈ることが慣習化されており書道に邁進すればするほど贈答品の書道用品が増えることとなります。こういった贈答品は当該書道家の方の交遊関係、歴史を証明するものですが残念ながら売ることは難しいものとなります。多くのご遺族の方やご本人もそういった事実を了承していることが多く誰かの役に立てば、と思っていただけることも多い点がこちらとしても有難い話でもあります。他の書道具としては硯は中国関係が多く、こういった端渓硯などは買取が可能なものも多く買取させていただきました。中国の硯は時代にもよりますが一般には高級品とされていた時期もありますので内容によっては買取が可能な硯も現在でも多いです。
画像の硯も端渓硯になります。硯は大きく分けて日本産の和硯と中国産の唐硯に分かれます。どういった硯が高く売れるか、というとやはり骨董品と同じく時代のある硯になります。歴史的には世界一古い硯は唐硯になります。歴史も古く、紀元前12世紀の西周の時代に顔料を研磨してつぶす容器があり、それが硯の原型といわれております。当然この頃は書道というより祭祀、政などで使用されていた可能性が強いですが、確かに硯も墨を研磨して液体を抽出することから原型といわれていることも納得できます。この時代の硯があればそれは高額で売れることでしょうが現存が少なすぎます。硯が発展したのは墨が固形墨となり文人趣味がはじまった唐時代以降になりその宮廷生活がさらに華やかになった宋時代にには現在目にすることのできる長方硯が出現し、ここから書道としての硯が現在に通じる形となってきます。それでも1000年以上前に現在の硯がすでに製作されていいたことは大変なことであり、日本ではどうしても中国の後追いになる以上硯の原点は中国にあることから高額で売却される硯は唐硯ということになります。
多くの人にとっては硯は和硯で長方硯が最も馴染みが深い物であり宮城県の雄勝硯などの長方硯は書道をされた方、習字をされた方なら一度は目にしたことがあるはずです。逆に言えばそれだけ大量にあるのが和硯ともいえます。販路も国内であり大量生産に近い和硯も多いため容易に入手できるからです。和硯に関しては時代のあるものはあまり存在せず硯式、色、形式もそこまで変化がないこともあります。唐硯はまずは中国産であるため和硯ほど容易に入手はできないものも多かったですがバブル期以降に大量に仕入れまとめて売る時代になり100年以内に製作された「新端渓硯」が大量に流通してきた歴史があります。そのため現在の買取相場では端渓硯=新端渓硯ともいえる現象が起きており、もともとの数が多いためだぶついている一面もあります。そういった内容の硯よりは雨端硯の作家である雨宮静軒の作家作品のほうが高額で売却される、という現象もあり硯の売却も奥が深いです。
そのように中国から発生し日本でも大変な人気を誇った端渓硯は採石場によって相場も変わってきます。石の質が最高と言われる老抗の端渓硯が西条ろされており、老抗の一定の場所から産出される石を「水厳」と称されており往時の漢字系の書道家をはじめ全国の書家、美術蒐集家に愛玩されてきました。他には老抗に次ぐ石が産出される抗仔厳もありますがあまりみかけることがありません。また麻仔抗、宋抗、梅花抗はバブル期以降に大変多くの量が採石されたため数も多く売却することが難しくなっている面もあります。山東省で採石された紅色の島状の模様が特色である紅糸石硯などもバブル期には高額で売っていましたが現在の買取相場ではかなり安くなっております。他には吉林省の松花江上流域で採石された松花江翠石硯は見た目も三度血、黄色系の縞目が美しく観賞用としても実用としても人気のある硯ですがこちらも贋物が多く売却する際には難しい一面もあります。
今回御相談いただいた御遺族の方はこのような硯の背景をご存じなかったので説明させていただきました。硯も墨、筆、和紙、印材同様一点一点が小さくどの書道具に価値があるか判断に迷うものも多いです。特に硯は時代のある古硯、100年前の旧硯、近年製作された新硯などにわかれ売値もだいぶ変動してきます。端渓硯は画像のような動植物をモチーフとした硯も多く一見高額で売れそうにも見えます。画像の硯は亀が硯面に配置されご丁寧なことに石眼が亀に合わせて製作、添付されているかのようです。なぜこのようなことをしているのかと言えば硯の見どころの一つとしで石眼がついている硯は高額で売れるからです。ただその石眼を後から張り付けたものが実際には殆どですのでそこがまた査定を難しくさせる一因ともなります。石眼は化石が変形してできた、いわば自然の産物でもありますので人工的にそういったことをするのは自然に対する冒とくでもあるため個人的には好きではありませんが石眼をひとつのモチーフとして鑑賞するにとどめていればこれはこれで面白い作品かもしれません。贋物として製作されたのか現代工芸として製作されたのか作家作品として倣った作品なのかはわかりませんがこのような硯を鑑賞して想像することもまた書道具鑑賞の面白さかもしれません。
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