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書道具コラム
2020.04.09

【書道道具の売却】書道具を売る際に気を付けたい5つのポイント

 

学校で習ってきた義務教育の「書道」。誰もが経験している書道の時に使っていた文房四宝である硯、墨、筆、和紙はおなじみの書道用品かもしれません。しかしこういった書道道具をいざ売却するとなるとどこで売ったらいいのか?そもそも売れるものなのか?等々お悩みの方もいらっしゃると思います。ここでは書道具を売却する際に気を付けたいポイントについて説明します。

 

書道道具とは

一般に書道をする場合に使われる道具全般を指します。具体的には書道をする際になくてばならない硯、墨、筆、和紙を指します。他にも硯箱、水滴、文鎮、筆掛など書道をする上で必要となってくる道具も書道道具の範疇に入ります。

義務教育の書道では半紙、墨汁が主流となっており多くの人にとっては売れるものには見えませんが、同じ硯でも学童教育で使用される硯と書道家が所持している古端渓硯では全く価値が変わります。そういった意味では買取り業者を呼ぶには後者の硯がある場合でしたら一度査定に呼んでみるのもいいかもしれませんし他の書道道具を売却することもできます。

 

書道道具の種類

書道道具は大きく分けて硯、墨、筆、和紙に分かれ書道で使用する水滴、文鎮、硯箱、筆掛もその範疇に入ります。書道道具の売却に関しては範囲が広いので数がある場合は買取業者を呼んでみることをお勧めします。

 

材質は石が大半で他に陶器、象牙、翡翠などがあります。産地は中国が発祥でその後日本と朝鮮で製作されます。生産地は中国が発祥で端渓硯、澄泥硯、歙州硯洮河緑石硯などがあります。高価買取が期待できる硯は中国の硯で時代のある古い硯になります。主に200年以上前の硯を「古硯」と呼び100年前の硯を「旧硯」と呼びます。時代の若い「新硯」の場合練習用のものや大量生産品に近い硯が多いことも特徴です。それとは別に現代作家が製作した硯もあります。雨畑硯の雨宮静軒や赤間硯の岩男卓司などは作家作品として評価されます。

 

松煙などの煤を膠などで固めた書道道具。書道道具の中でも擦り減って最後にはなくなってしまう存在です。古来より多くの文人に愛玩されており墨のコレクターも日本にもいます。墨の売却に関しては時代のある墨は発色も良く人気がありますが扱いに難しく素人が触ると割れてしまうこともよくあり、プロの買取業者に扱いを任せた方がいいでしょう。また墨に関しては消耗品であるという性格上、需要は常にあります。また和墨よりも歴史のある唐墨が高価買取される傾向にあります。そもそも書道史は中国史と密接に関わっているためあらゆる書道具は中国産の書道道具が珍重される傾向にあります。

 

文字を書く書道道具、紀元前に発明されています。当時は軍事の伝達事項に使われその後政治の舞台でも使用されることになります。毛の材質は一般に羊毛が書道に向いており人気がありますが馬、イタチ、孔雀、狸など様々な毛が長い歴史の中で使われてきております。筆の売却に関しては毛の内容よりも管の材質が象牙、七宝、翡翠など高価なものが高額査定につながることが多いです。筆自体は消耗していく存在であるため多くの筆を所持されている書道家の方も多く作家作品や熊野筆、博文堂など全国のメーカーでも発売されておりますが基本的には未使用の筆が買取対象となる場合が多いです。また清朝期に製作された筆などは使用されていても古美術品としての値打ちもあるのでその場合は使用済みでも高額査定がされる場合もあります。

 

書道用の紙としては日本の和紙と中国の唐紙があります。中国の紙は安徽省で生産されている紅星牌などの宣紙が高く評価されています。日本の和紙は「四大和紙」と言われる美濃和紙、越前和紙、土佐和紙、因州和紙が有名です。和紙の売却に関しては生産されている地域、状態によって査定が大きく変わります。また使用済みやシミが目立つ和紙の場合一点では値段がつかないこともあります。また和紙も消耗品である以上数が多くあります。その場合半紙などは一点では値段がつかないこともありますが時代のある和紙や作家作品の和紙などがある場合は使用されていても買取が可能な和紙もあります。

 

 

 

 

売れる書道具のポイント

1一見して古そうかどうか?

書道具は多くの場合が書道をされる方が自身の練習用に使われる道具がほとんどになります。またそういった書道具は全国の書道用品店で購入されている場合が多いです、この場合の書道道具は大量生産品になりますので数が多く使用済みである場合が殆どになります。その場合は値段がつかないものもあります。ですが同じ大きさの墨でも200年前に製作された古墨であった場合は話が大きく変わり古美術品としての査定になります。またその場合当時の領収書、共箱があれば査定額も大きく上がる可能性があります。

 

2著名人が所持していたか?

硯に関しては犬養毅など古来より蒐集していた文人がおりそういった人たちが所持していた硯を売る際は高値になる傾向があります。古美術品にもいえることですがその道に詳しい人間が所持しているというだけで同じものでも値段が大きく変わることはよくあります。例えば硯の蒐集家でもあった犬養毅などが所持していたことが証明される箱書きに入っていた硯や著名な書道家が所持していたことがわかる証紙などが付属していた書道道具があった場合などは高額売却が期待できます。

 

3いつ頃造られたか?

例えば雨宮静軒という硯の作家がいますがその作家が晩年に製作した硯と若いころに製作した硯では値段が大きく変わります。これは書道家作品にも言えることですが一般的に作家が製作した作品は晩年の作品が高額になります。また人間国宝の作家作品の場合人間国宝になる前となった後では桁がずれるくらい価値が変わることもあります。ただ晩年の作品だから必ず高額になる、というわけでもありません。当該作家の得意分野の作品ではない作品が製作されていた場合や他の作家とのコラボレーションの作品などはそこまで査定が高くないこともありますので合わせて専門家に聞いてみることがいいと思います。

 

4作行が良いか?

例えば端渓硯を例にとると造形の良さ、鑑賞用として見た目が美しいか?という点も高額査定のポイントになります。この観点は李朝、伊万里などの古美術品や横山大観などの絵画にも通ずる部分ですが多くの作品に表れる見どころが存在しているか?という点も大事なポイントになります。例えば版画作品の場合は白黒ではなく彩色であるか?など加点される点が増えるほど査定額も高額になります。硯に限らず書道道具全般にも言えますが売る際は本人が見て美しいかどうか考えることも大事かもしれません。

5状態が良いか?

硯、墨など書道道具に限らずあらゆるジャンルでもいえることですが基本的には未使用でイタミがないものが査定が良くなり売れる書道道具になります。例えば美人画の掛軸で顔にシミがあると大きくマイナスになります。その作品の大事なところにイタミがあると査定以前に売ることが困難になる場合も残念ながらあります。和紙であればシミが目立つ、破れている、などの欠点があると売りたくとも買い手がいないので値段がつけられない、という事態になります。

書道道具を売る際のまとめ

書道道具は一見どこにでもある道具にも見えますが当該書道具の産地、歴史、所持していた作家などにより大分値打ちが変わることがよくあります。そういった意味では古端渓硯、古墨は古美術品と同等の査定の仕方も行われますし、時代がなくとも現代作家が製作した硯、和紙、筆になれば作家作品として査定されます。もしご自宅に価値のわからない書道道具があり売却したいのであれば専門業者に一度電話でもメールでも相談してみるといいかもしれません。また現在はラインにより手軽に査定が出来る時代でもあり様々なアプローチ方法がありますので活用されてみてはいかがでしょうか?

 

 

 

 

この記事を書いた人

東京美術倶楽部 桃李会
集芳会 桃椀会 所属

丹下 健(Tange Ken)

丹下 健(Tange Ken)

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